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労災診療のご案内
振動病・じん肺の治療について
振動病の治療について
振動病とは?
振動工具の使用に伴って「振動」と「騒音」が身体に害を及ぼし、 さらに作業環境により「寒冷」が加わることで自律神経の緊張状態が高まります。 こうしたストレスの状態が長期間に亘って繰り返し身体に加わることで、手指の末梢血管が収縮し、神経の障害や筋肉の萎縮、 また、肘関節の変形などの症状を起こして、やがて振動病が発症することになります。
振動病の症状は?
- 手指のレイノー現象
- 手指のシビレ・こわばり・冷感
- 頸、肩、腕や手の痛み・こり感
- その他、手指の筋肉の萎縮や神経の麻痺、肘関節の変形、頭痛、耳鳴り、睡眠障害等
振動病の治療は?
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運動療法・理学療法
いずれも身体全体あるいは各部分を温めることで血液の流れを良くし、 組織への栄養や酸素の供給を良くすることを目的として行ないます。 特に、運動療法は身体のすべての筋肉を使い、血液の循環を良くし、 こりを取るとともに自律神経のバランスを取り戻すのにも効果的です。 -
薬物療法
主として血液循環剤やビタミン剤などの内服薬と消炎・鎮痛目的のシップ類が使用されます。 -
日常生活の注意
全身の保温に注意し、雨に濡れたり冷房のかけ過ぎに注意が必要です。 振動工具の使用やバイクの運転は厳禁です。 また、栄養価の高いバランスの取れた食事を心がけ、朝夕の適度な体操や散歩をすることも症状の軽減に有効です。 その他、喫煙により、ニコチンの作用で末梢の血管が収縮し血流量が低下すると症状を悪化させるので、禁煙が望まれます。
じん肺の治療について
じん肺とは?
粉じんを吸い込んでしまうことによって、肺に繊維増殖変化を起こす病気をいいます。
じん肺の原因となる粉じんは主に鉱物性粉じんですが、
その他に石綿を吸入することによって起こる石綿肺(アスベスト肺)もじん肺の種類の一つです。
じん肺の症状は?
- 咳、痰、呼吸困難
- 喘鳴、動悸
- 全身倦怠感、食欲不振、体重減少
- その他、心肥大、肺性心
じん肺の治療は?
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理学療法
息切れや呼吸困難を悪化させないために、効率の良い腹式呼吸を習得します。 また、柔軟体操や歩行訓練、散歩を取り入れた呼吸リハビリは基礎体力をつけ、感染防止や心肺機能の向上に有効です。 -
薬物療法
主として、続発性気管支炎などの合併症に対する治療を行います。 気管支拡張剤、鎮咳剤、去痰剤等が使用されます。 -
酸素療法
酸素吸入により、低酸素状態を改善すると運動能力が上がり、日常生活が苦痛の少ないものになります。 -
日常生活の注意
まず禁煙することが第一です。 うがい、手洗いなど感染防止を心がけ、特に風邪には注意し、早めに治療することが大切です。 また、上手に痰を出す方法や腹式呼吸を日常的に実施していくことで、快適な生活を送ることができます。
その他に、室温や入浴時のお湯の温度調整をすること、栄養価の高いバランスの取れた食事をとることや 便秘を避けることで症状の悪化を予防することができます。